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本当は楽しい岩歩きと岩登り
低山にも、岩場の多い山はたくさんあります。
私が住んでいる近くの山ですが、三重県の御在所岳などは岩場のある代表的な山です。
もっと近い、岐阜県の金華山にもちょっとした岩場があります。
ここでは便宜上、両手を使うか使わないかということで、岩登りと岩歩きを区別しておきます。
ちなみに、岩登りと岩歩きの境界線は、おそらくその傾斜と道幅によるものが大きいと思いますが、どれくらいからという定義はありません。
個人差もあります。
最初に言っておきたいのですが、岩歩きも岩登りも、とても楽しいです。
確かに危険なこともありますが、基本を守っている限り、とんでもない危険な箇所でない限り、そのリスク以上にその面白さに病みつきになるでしょう。
50歳を超えているからといって躊躇するのはもったいないです。
子供の頃にジャングルジムで遊んでいるような気分になれます。
それでは、岩を楽しむために気を付けることを見ていきましょう。
それぞれ見て行きましょう。
「岩歩き」
浮石に注意
浮石とは固定されていない、少しの力で動く石のことを言います。
岩場には大小さまざまな大きさの岩や石があります。
小さい石なら、ぐらつきも予想できますが、少し大きくなると(数十センチ)、しっかりと固定されていると錯覚することが少なくありません。
もし、浮石と知らずに足を乗せてバランスを崩せば、転倒する事もあります。
登山での転倒はとっても危険です。
これらの大きな石は、すべて浮いていると考えるほうが安全です。
そう思って足を乗せれば、仮にそれが浮石だったとしても、体が上手くバランスを取ってくれます。
まあ、数メートルもある大きな石がぐらついたら、もう運が悪かったとしか言いようがありませんけどね。
濡れた岩に注意
私の感覚からは、登山靴は意外と濡れた岩などで滑りにくい印象があります。
浅い小川を歩くようなときも、川底の濡れた石の上をしっかりと歩くことが出来ます。
でも、過度の期待をかけるのは止めたほうがいいでしょう。
とくに、表面に苔が覆っているような場合は注意しましょう。
それから、濡れた木道は普通に滑ります。
岩ではないですが、木道は滑ります。
下りは特に気をつけてください。
ストックを使おう
岩歩きのときもストックを使いましょう。
ストックの先は、付属のゴムキャップを付けたままです。
土の道より、岩のほうが摩擦が高いので、足とストックが体をしっかりと安定させ、歩きやすく、その分楽に感じられます。
ちなみに私は、土の道でもゴムキャップは付けたままにしています。
キャップを外すのは、雪があるときだけにしています。
そして「岩登り」
岩登りは三点支持を守る
以前にも少し触れましたが、「三点支持」とは岩を登るとき、両手両足の合計四本のうちどれか三本は必ず岩にかかっている状態で登る方法です。
つまり、足や手を岩に掛ける為に動かすのは、4本のうちどれか一つということです。
こうすることで、滑落を防ぐことが出来ます。
それでも、慣れてきたり傾斜が緩やかになると、三点支持を忘れがちになります。
手を使って登るときは、慣れても、傾斜が緩やかでも、三点支持で登る癖をつけてください。
慣れから来る手抜きは事故の元です。
岩登りのときはストックを使用しない
岩登りのときは両手両足を使います。
そんなときストックは邪魔で危険です。
ザックの横に付いているベルトでくくって、収納してしまいましょう。
ストックを手に持ちながらの岩登りは、思わぬところでストックが岩に当たって跳ね返されたり岩に引っかかったりして非常に危険です。
ロープ、クサリ場の歩き方
危険な箇所にはロープやクサリが張ってあります。
ロープやクサリを両手でつかんで、ガシガシ登る人もいますが、出来れば、片方がロープやクサリなら、もう片方は岩をつかむとより安心です。
ロープやクサリが切れやすいという理由ではなく(それもあるかもしれませんが)、ロープやクサリに全体重を掛けると、もし手が滑ったら滑落してしまうからです。
これは、ロープやクサリに体重をかけてはいけないということではありません。
場所によっては、両手で掴むこともありますが、基本は片手でつかみます。
そして、ロープやクサリの場合も三点支持で登ることは言うまでもありません。
落石に注意(ヘルメットの着用)
岩登りのときは、先に登る人が落石を起こす場合が少なくありません。
上から落ちてくるのが例え小さな石でも、無防備な頭に当たったらケガは避けられません。
先行者は、万が一落石を起こしたときは、下を登る人にすぐに知らせる必要があります。
そのときは、ゴルフの「フォアー!」のように、間髪入れず大きな声で「ラーク!」(落のこと)と叫んで知らせてください。
恥ずかしがらず、躊躇せず大きな声で言うことが大切です。
岩登りのときはヘルメットを装着しましょう。
大きな石が落ちてきたら守りきれませんが、あるとないとでは大違いです。
最近では、御嶽山の噴火を期に、火山では岩登りでない場合でもヘルメットを持参することがあるようです。
ヘルメットも出来るだけ軽量なものを選んでください。
軽量になるにつれ価格も上がりますが、一度買えば何年も使えるものなので、ケチらずにいいものを購入しましょう。
レンタルでもいいですけどね。
アンカーボルトに指を入れない
以前にも書きましたが、大切なので再度書きます。
岩によっては、カラビナをとめるためのアンカーボルトが打ってある場合があります。
アンカーボルトの穴が、丁度指が入るくらいの大きさなので、ついその穴の中に指を入れて体を支えたくなりますが、絶対に止めてください。
足を滑らせたとき、あなたの指は体重を支えることが出来ず、最悪の場合指の切断ということになります。
かく言う私も初めての岩登りで指を入れたことがあります。
そしたら、近くの登山者がすぐに注意をしてくれました。
感謝々々です。
岩歩きも岩登りも、状況が様々なので、そのつど注意することが違います。
岩の大きさ、段差の大きさ、形、傾斜などによって歩き方も違います。
でも気を付ける最低限のことはあります。
今回はそういった意味で、一般的な注意点を書き出したつもりです。
あとは、いろんな山で経験を積みましょう。
きっと、岩歩き、岩登りがより楽しくなりますよ。