初めての山小屋泊

チェックインからチェックアウトまで

 

 

「予約は必要?」

本来、山小屋は非難小屋の要素も兼ね備えているため、どんなに混雑していても、オープンしている限り宿泊を断られることはありません。

 

以前は予約などせずに直接チェックインしたものですが、最近は予約をしてくださいという山小屋が増えてきました。

もし、予約なしでベッドが満室の場合、食堂や廊下で寝ることも覚悟しなければなりません。

 

予約はしましょう。

もちろん、キャンセルの場合は、当日でも無料ですので、必ず連絡を入れましょう。

連絡をしないと、途中で遭難しているのではないかと余計な心配を掛けることにもなります。

 

「チェックイン・アウトの時間」

適当です。

特別な個室以外はオープンスペースのベッドだけなので、特に時間は決まっていません。

 

ただし、食事の用意や登山の安全を考えると、遅くとも午後4時くらいまでには到着したいものです。

 

朝のチェックアウトは、天候の都合などで同じ山小屋に連泊する場合以外は、ほとんどの人が食事を終えたら、早々に準備をしてチェックアウトしていきます。

 

チェックアウトといっても、ホテルや旅館と違って料金は前払いなので、清算手続きもなく、キーの返却もないので、黙って出て行ってもOKです。

わたしは、お礼の挨拶をしていきますが。

 

※だいたい午前8時までには退室するのが一般のようです。

 

「チェックインしてから」

山小屋に到着したら、受付でチェックインを済ませます。

 

食事が必要かどうか、どこから登って、明日どこへ行くのか、住所・名前など簡単な項目を用紙に記入して現金で料金を支払います。

 

※クレジットカードが使えるかどうかわかりませんが、最近は使えるところが増えてきているそうです。事前に確認してみてください。

 

靴を脱いで下駄箱に入れます。

同じような靴がいっぱいあって間違えやすいので、小屋によっては、小さな紙の札が置いてあるので、それに名前を書いて靴にくくりつけます。

※小屋によっては、靴を脱いでベッドのところにある靴箱まで持っていくこともあります。

 

もし、着ている雨具(レインウェア・帽子・手袋など)が濡れている場合は、板の間に上がる前に脱いで乾燥室へ持って行きます。

 

ほかの人のものがすでに干してあるので、同じようにそこにあるハンガーを使って干しましょう。

これも、後から間違えやすくなるのでまとめて干すなど工夫をしておくといいでしょう。

 

乾燥室は温風がでているので、乾くのにそれほど時間はかかりません。

翌朝までそのままにしている人もいますが、朝の時間を有効活用するためにも、その日のうちに乾いたものは取り込んでザックに収納するなどしておきましょう。

 

ザックを持って、案内された寝床に行きます。

布団は畳んであることが多いので、自分で寝床を作ります。

ザックは廊下に出すなど、置き場所が決まっているので、ルールに従います。

 

ただし、貴重品は手元においておきましょう。

私は小さなポシェットに貴重品を入れて常に身に着けています

ポシェットの中には、財布のほかに、ハブラシセット、耳栓、ウェットティッシュ、クルマや家のキーなどを入れています。

 

「着替えるの?」

女性は着替える人が多いようです。

 

山小屋に着く頃には、かなり汗をかいています。

しかし、山の上は下界ほど暑くはないので、そのうちに乾いてきます。

もちろん、速乾性の山用の衣服を着ていることが前提ですが、そのうち気持ち悪さはなくなってきます。

 

ということで、中には着替えない人も結構います。

 

私は、下着(上下)と靴下を交換します。

一泊のときは替えないときもあります。

もちろん、最低限の荷物にするためです。

 

着替えの際には、ウェットティッシュで体を拭きます。

背中は女房に拭いてもらいます。

 

山小屋によっては、更衣室があります。

ないところでは、寝床にカーテンがある場合はそれを目隠しに使って着替えます。

 

「夕食までの間」

私たちは、遅くても午後3時頃までには山小屋に到着する計画立てますが、夕食は早いと午後5時に始まります。

 

※混雑時は時間帯を分けて提供されます。

早く着いた人は、早い時間帯の食事となるのが一般的です。

 

到着から夕食までの間も全然退屈ではありません。

疲れているので、仮眠を取る人もいれば、談話室があるのでそこでお茶をしたり、大抵の談話室には山の雑誌や漫画本が置いてあるのでそれらを見て時間を過ごします。

 

もちろん、到着早々ビールで喉を潤す人も大勢います。

私はこの中の一人です。

飲んだ後は、疲れもあって少し仮眠するのが恒例です。

 

それでも、意外と山の時間はゆっくり流れるので、たっぷりとした時間の余裕を感じられます。

 

山小屋によってはお風呂に入れるところもあります。

北アルプス系では「槍沢ロッジ」がそうです。

石鹸などは使えませんが、お湯だけでも体の汚れは取れますし、お風呂に浸かるだけでも登山の疲れが癒されます。

 

温水シャワーのあるところもあります。

やはり北アルプス系では「剣山荘」です。

 

ちなみに、「立山」は本場の温泉地なので、「室堂」の近くには普通に温泉のある山小屋があります。

 

「食事は大食堂でいっせいに」

あらかじめ決められた時間に食堂へ集合します。

畳のところもあれば、椅子に座って食べるなど、山小屋によって違います。

席は指定されるところが大半です。

お仲間は一緒のテーブルに案内してもらえます。

 

一つのテーブルにはお仲間以外の人と相席になる事も多く、ご飯の御ひつやお汁の鍋などが近い人は、テーブルに着いている他の人の分もよそってあげることが多いです。

調味料だってみんなに回してあげます。

 

特に知らない人とお話をする必要はありませんが、なんか昭和の香りがします。

もちろん、初めて合った同席の人とお話がはずむ事もあります。

 

食事の内容も、おかずは後片付けしやすいようにワンプレートのところが大半です。

中にはかなりレベルの高い食事もあって、山小屋によって特徴があります。

ある山小屋では、空いているときでしたが、特別に近くで取れた熊の肉が振舞われた事もありました。

 

バイキング形式のところもありました。

自分の好きなものを好きなだけ食べられるというのは山小屋では新鮮でした。

北アルプス系では「村営白馬岳頂上宿舎」です。

ここは、もう少し上方にある「白馬山荘」のほうが人気があるので穴場です。

 

混雑時は、食事が3回に分かれることもあるので居酒屋のようにいつまでも食べて飲んでいるわけには行きません。

(アルコール類を飲みながらの食事はOKです)

食事が終わったら早々に引き上げましょう。

 

※山小屋にもよりますが、食後の食器類はそのままにしておくことが多いです。

 

「食後から消灯時間まで」

消灯時間は早いところでは8時ころです。

かなり早いようですが、山小屋では朝早く立つ人が多いので消灯時間は必然的に早くなります。

 

※あらかじめ頼む必要がありますが、早朝に立つ人は、朝食の変わりにお弁当を作ってもらうことも出来ます。

 

それでも、午後5時頃から食事をした人にとっては午後8時までの時間は決して短くありません。

談話室で酒を飲みなおす人、読書する人、明日の準備をする人、星を見る人、8時前に寝る人などさまざまです。

 

 

消灯時間までは自由ですが、消灯時間後は大きな音を立てたり、どたどたと歩き回るのはマナー違反です。

ハミガキやお手洗い、明日の準備などはそれまでに済ませておきましょう。

 

就寝時にも、貴重品は身につけておきましょう。

枕元には、水の入ったペットボトルとヘッドランプを置いておくといいでしょう。

 

ちなみに私は、他の人のいびきがうるさいので、耳栓をして寝ます。

必需品です。

 

「山小屋では基本的に水は貴重品です」

山頂では、下界から水道を引いているわけではなく、雨水を貯め、雪解け水などを生活水としています。

水は貴重です。

ハミガキや洗顔・手洗いのときには水の使い方に注意しましょう。

 

涸沢ヒュッテ」のように比較的水に恵まれているところもあります。

 

「トイレ事情」

宿泊者以外はトイレの使用に料金を支払うところが多いです。

宿泊者は宿泊料金の中に含まれています。

 

トイレはほとんどが和式で、大きいほうは、使用済みのトイレットペーパーをトイレ内の備え付けの容器に捨てるところが大半です。

少し慣れが必要です。

 

混雑時にはトイレが渋滞するので、女性は特に注意が必要です。

 

 

以上少し長くなりましたが、山小屋の生活をざーっとご紹介しました。

 

私は使ったことがありませんが、山小屋によっては、特別料金で個室があるところもあります。

山小屋オリジナルのお土産も売っています。

イベントやミニコンサートを開催する山小屋もあります。

などなど、山小屋によっていろいろ趣向を凝らしています。

百聞は一見にしかず、いろんな山小屋を経験してみてください。

 

 

最後に一つ、山小屋で買った飲み物の空き缶などはそこで処分してもらえますが、持参したものから出るゴミは必ず持って帰りましょう。

 

山小屋泊を楽しみましょう。


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