安全登山の為に、危険とその対策「その2」

登山は楽しさいっぱい、危険もいっぱい 2

 

前回に引き続き、「その2」をお送りします。

 

「危険な生物に遭遇」

山の中にはいろんな生物が共存しています。

中には人間に危害を及ぼす生物もいます。

 

代表的なものをご紹介します。

「熊、猿、ハチ」

他にも、蛇・ヒル・毛虫などの害虫などがいますが、今回は比較的被害の大きい「熊・ハチ」についてです。

 

猿は襲ってくるような印象がありますが、山の中の猿はこちらが無視する限り大丈夫です

実際、登山中に猿に襲われたニュースは耳にしたことがありません。

 

毒蛇も被害は大きいですが、よほどのことがない限り蛇のほうから向かってくることはないので今回は割愛します。

 

「熊」は深い山にはまず生息していると思って間違いありません。

ただ、ヒグマを除いて向こう側から積極的に人間を襲ってくることは少ないようです。

保障はしませんが。

一番の対策は、熊よけの鈴です。

ラジオをかけながら登る人もいます。

 

運悪く遭遇してしまった場合には、背中を見せずに後ずさりするのがいいようです。

あわてて、逃げ出すのは逆効果のようです。

私は熊の生態についての専門家ではないので、聞きかじりの話で恐縮です。

 

それでも向かってきたときは、私なら大声を上げ、両手を挙げて威嚇した後、持っているストックで眼を突くつもりでいます。

いざというときの心構えは出来ています。

 

「ハチ」、特にスズメバチですが、巣が近くにある場合、まず数匹が警告の為に近くまで飛んでくるようです。

その時点で気がつけばいいのですが、それを無視して巣に近づいてしまったら、総攻撃を食らうでしょう。

 

ハチに刺されると死にいたる事もあるといいます。

黒い色に向かって攻撃してくるということも聞きます。

すみません。私はハチの専門家でもありませんのでこの程度でお許しを。

 

私も過去に一度、登山中にスズメバチが一匹近くに飛んで来たことがありました。

そのときはどうしたでしょうか。

 

そのときは、しばらく様子を見て、そのハチがいなくなったのを確認した後、ゆっくりと歩を進めました。

結果、何事もなく通過できました。

少しビビりましたが、何事もなくよかったです。

 

「落雷」

特に夏のシーズンに多い落雷。

森や林の中で被害に合う可能性は低いですが、尾根上や開けた場所は注意が必要です。

(尾根:谷の反対、山の面と面の間の一番高い線上のつらなり)

わかりづらいですね。

 

夏は午後になると一般に雲が広がってきます。

午前中より午後のほうが要注意です。

 

(北アルプス(西穂岳独標付近)での昔の出来事(1967年)ですが、落雷にあって山岳部の11人の高校生が亡くなった事故がありました)

 

今では精度の高い落雷注意報が出ているので、あらかじめ確認しておきましょう。

 

「低体温症・高山病」

 

どちらも登山に見られる体調不良の症状です。

個人差もあって、同じ条件でもなる人とならない人がいます。

 

低体温症は、低い気温の中で一定の時間体をさらすことにより発症します。

低い気温のみならず、濡れた衣服による気化熱で体温を奪うこともあります。

 

低体温になる前兆として、まず、部分的な体の冷えや体の震えがあります。

その後ひどくなると、体が動かなくなり、寒ささえ感じなくなります。

さらに進むと本当に死んでしまいます。

 

私は医者ではないので、深刻な状況になった時の適切な対処法をここで無責任に言うことはできません。

 

しかし、防止策として登山用の服を着用すること、寒さを感じたときは我慢をせずに重ね着をすること、温かい飲み物を摂取するなど、それ以上体を冷やさないことが大切なのは間違いありません。

 

一度低体温の症状になるとなかなか元に戻りません。

そうなる前からの予防が欠かせません。

 

高山病は標高が上がるにつれて酸素が薄くなり、頭が痛くなったり吐き気をもよおしたりする症状です。

 

楽しい登山のはずが、一気に萎えます。

 

一般的に2400メートル以上の高山で発症するといわれています。

(2000メートルで発症する場合もあります)

 

また、一気に標高を稼いだときになりやすいといわれています。

一度発生したら、無理して登るとさらに悪化する恐れがあります。

無理をしなければ、短ければ数時間、長くても1~2日ほどで元に戻ります。

 

私はかかったことはありませんが、女房は経験しました。

ひどい頭痛と吐き気でとても登る気にはしばらくならなかったようです。

幸い、しばらくすると症状は改善しましたが、やっぱりゆっくり登ることが大切ですね。

 

高山病は登りだけで、下りは酸素が増えてくるので大丈夫です。

 

「慣れ」

最初のうちは緊張していて、慎重に行動するのですが、慣れてくると慎重さが薄れてくるのは、クルマの運転に似ています。

あろうことか、自分より経験の少ない登山者を上から目線で見るのもこの頃です。

 

事故は大抵そんなときに起きます。

 

慣れてきたときが一番危ないということを忘れず、どれだけ経験を重ねても、つねに謙虚になることが大切です。

それが登山を楽しむための秘訣だと私は思います。

 

 

以上二回に別けて、登山での危険についてご紹介しました。

基本的なことを紹介しましたが、山にはまだまだ意外な危険が潜んでいます。

 

これから登山を楽しもうとしているあなたに、少し冷や水をかけてしまったでしょうか。

でも、危険なことへの知識があれば、その危険についてはあらかじめ避けることが出来ます。

 

繰り返しになりますが、“いつも謙虚に”“初心忘れるべからず”が大切ですね。

 

それではまた。

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