「その歩き方は、ナンバ歩きにヒントがあります」
登山は、上り下りだけでなく、平坦な道を何時間も歩くこともあります。
駐車場、もしくは駅から登山口までのアプローチや山のピークからピークに続く縦走などは、比較的傾斜が穏やかなことも少なくありません。
あるとき、平坦な道で、女房が私と少し違う歩き方をしているのに気が付きました。
そして、なぜか女房のほうが歩みが速く、疲れが少ないようだったのです。
本人に聞いても、自覚していないようで、どこが違うのか、そのときはわかりませんでした。
そして、そんな事も忘れていたのですが、あるときその歩き方を見てふと気が付いたのです。
ということで、その歩き方について、ある確証を得ましたのでご紹介します。
ナンバ歩きを簡単に説明すると、右足と右手を同時に前に(もしくは左)出して歩く方法です。
わかりにくいでしょうが、腕を組んで右足を前に出すとき右肩も同時に前に出す歩き方をしてみてください。
この感覚です。
実際にはナンバ歩きするわけではなのですが、一般にナンバ歩きは疲労が少ないといわれます。
私はもう、かなり前から“ナンバ歩きもどき”で歩いていますが、今回この記事を書くにあって、同じ考えの人がいないかとネットを調べてみたのです。
すると、出てくる、出てくる、少し驚きました。
中には東京大学名誉教授(岡田 洋一)の論文までありました。
自分の考えが間違っていないことにあらためて確証を得ました。
それでは、その歩き方についてわかりやすく?説明していきましょう。
「実際は、右足右腕は一緒に出ません」
そんな歩き方では、とてもじゃないですが歩けません。
じゃあ、どんな歩き方なのか。
先ほど腕を組んで歩く方法をご紹介しましたが、その感覚のまま腕を解いて普通に下に降ろして、お腹から下の部分を同じ感覚で歩いてみてください。
大げさに言えば、右足を前に出したときに、へそがほんのちょっと左を向く感じです。
腕は、足と反対の動きになっています。
お腹の力を抜くとわかりやすいです。
と言ってもわかりにくいと思いますが、別の観点から見ると、右足を前に出すと同時に右のお尻が前に出る感じです。
いままで、足の付け根を支点に歩いていたのを、もう少し上のへそのあるあたりの体の中心部が支点になっている感覚です。
足の付け根から歩く足の動きからすると、さらに上方に支点があるので、足が長くなったような歩き方になるのです。
当然、同じ一歩でも歩幅が違うので、その分有利になるわけです。
仮に、歩幅を同じにすれば、その分体への負担が小さくなるのです。
私に、もう少し文章力があればなあ。
わかりにくくてごめんなさい。
「普段から意識して歩いてみる」
最初、女房の歩き方に気が付いて、その場でやってみたのですが、理屈はわかっていても、体はすぐには思ったようには動かず、ぎごちない動きになってしまいました。
普段歩くときに、意識して歩いてみてください。
実は、それほど難しいことではないと思いますが、登山のときにぶっつけ本番よりはいいと思います。
東大の名誉教授の論文にも“練習が必要”と書いてありました。
「この歩き方は平地でオススメです」
ネットでは、この歩き方を“登るとき”に推薦している人が目立ちますが、個人的には傾斜のない平地、もしくは緩やかな上りの傾斜のときにオススメします。
最初にも少し触れたように、登山口までのアプローチや縦走のときに有効です。
実際に、登り傾斜のときにやってみましたが、いつも使わない筋肉を使うことになって、長くは続かないような気がしました。
慣れればいいかもしれませんけどね。
やはり、上り下りは小幅で歩くのが鉄則です。
仮に足のコンパスが長くなったとしても、上り下りは歩幅を変えずに歩きましょう。
特に、下りの場合は不安定になり危険が増します。
やっぱり、足のコンパスは短いほうが安定しますからね。
「やり過ぎない」
やり過ぎて、腰を振りすぎないことです。
確かに、より足のコンパスを長くしようとすると、より下半身をひねることになります。
ひねりすぎは、余計な負担を体にかけることになり、疲労が早くなります。
また、あなたが男性なら、見た目にもお尻フリフリになってカッコ悪くなります。
その点、女性は元来この歩き方が身に付いているのかもしれませんね。
ということで、“私が見つけた画期的な歩き方”だと思ったのですが、すでに大勢の人が実践していました。
少し残念なような、安心したような複雑な気持ちですが、より実践的に他の人の意見に少し味付けしてみました。
やっても、やらなくてもかまいませんが、一度お試しあれ。
大切なことなのでもう一度いいますが、極端な動きは逆に疲れてしまいます。
そこのところを注意すれば、とても効果的だと思います。
個人的にはそう思います。