私は基本的に冬山には登りません。
多くても、近くの低山に月に一回行く程度です。
それでも、夏山に備えて軽くトレーニングをしています。
トレーニングと行っても、ジムに通うとか大げさなことはしていません。
時間とお金がもったいないですからね。
ただ、オフシーズンに何もしないよりは、少しでもいいのでトレーニングをしておいたほうが夏山が楽しくなると思います。
それに、私のような50代後半は、これまで以上に体の衰えを感じる世代です。
運動は一石二鳥です。
いや、メンタル面も考えると三鳥かもしれませんね。
私もやっている、簡単なトレーニングをご紹介します。
「毎日、階段の上り下りをしましょう」
日常の生活に階段を使用できる状況にある人に限りますが、階段の上り下りはとても有効です。
階段を使うことで、心肺機能と足の両方を鍛えることが出来ます。
エレベーターやエスカレーターを使用せず、階段を使いましょう。
上りだけでなく、下りも階段を使ってください。
登山での長時間の下りは、膝と足元の部分(足首から下の部分)への負担が大きくなります。
ひどいときには、歩けなくなるくらい痛くなることもあります。
小さな歩幅で、ゆっくり下ることで、ある程度防ぐことは出来ますが、慣れないうちはついがんばりすぎて、あとで後悔することが多々あります。
下りるときも階段を使うことによって、膝を鍛えることが出来ます。
登山では、正しい上り下りをした場合、下りのほうが足への負担が大きいということを覚えておいてください。
「スクワットをする」
スクワットといっても、大したことはしません。
毎日10回程度の膝の曲げ伸ばしです。
ただし、正しいやり方でおこなってください。
簡単に説明すると、足を左右に肩幅より少し大きめに広げて、膝がつま先より大きく前に出ないように、太ももの筋肉を意識しながら、太ももが水平になるまでゆっくり膝を曲げていきます。
膝が前に出ないためには上半身を前かがみにして、お尻を後ろに突き出すように腰を曲げます。
それを10回繰り返してください。
腕の位置は、腕組をする、腕組をした腕を水平にあげる、前ならえのように両腕を前に突き出す、頭の後ろで手を組むなど、そこは自由でかまいません。
毎日たった10回の曲げ伸ばしでOKです。
ただし、大切なことがあります。
最後の10回目に膝を曲げたあと、その姿勢を10秒間キープしてください。
この10秒がキモです。
「腕立て伏せ、腹筋運動」
そのほかにも、一見登山に関係ないと思われがちですが、腕立て伏せと腹筋運動も大切なトレーニングとなります。
腕立て伏せは主に胸の筋肉を鍛えます。
腹筋運動は文字通りお腹の筋肉ですが、この二つのトレーニングによって、上半身の前の部分が鍛えられます。
特に腹筋と胸筋を鍛えるのには理由があります。
登山は重いザックを背負うので、上半身は若干前かがみになり、体の前方の筋肉に常に負荷がかかった状態となっているのです。
腕立て伏せと腹筋運動は、一週間に3日ほどでOKです。
適切な回数は個人差があり、一概には言えませんが、負荷があまりかからないやり方で、20~30回やれば十分だと思います。
ちなみに、腕立て伏せは、きついと感じる場合、ひざを付いてやると比較的楽に出来ます。
やはりこれも、最後に負荷がかかった状態で、10秒ほど静止すれば、より効果的です。
以上、オフシーズンのゆるトレーニングについてご紹介しました。
実際のところ、上記のトレーニングをしたからといって、完全に登山用の体が維持できるわけではありません。
やはり、シーズン最初の登山では、オフシーズンに鍛えておいたはずの体もいとも簡単に疲労します。
それでも、オフシーズンに何もしなかった場合と、トレーニングをした場合とでは、明らかに違ってきます。
私のすすめる登山が”つらくない登山”と言っても、全くつらくないというわけには行きません。
来シーズンの登山を楽しく始めるためにも、オフシーズンのトレーニングはオススメです。
番外編「トレーニングはしたくないという人の為に」
“登山のための一番適切なトレーニングは山に登ること”とよく言われます。
できれば上記のトレーニングに加えて、一月に一回でも低山に登るのがいいのですが、それでも、登山は好きでもトレーニングはイヤだ、続かないという人は大勢いるはずです。
うちの女房は、間違いなくそのうちの一人ですから。
そんなときは、シーズンが始まったらいきなり核心(お目当て)の山の登るのではなく、低山で足慣らしをすることをオススメします。
たとえば、私がシーズン初めに北アルプスに行くとしたら、まず、瓢ヶ岳(ふくべがたけ:岐阜)、または伊吹山(いぶきやま:岐阜県・滋賀県)などに日帰りで登って体を慣らします。
もちろん、せっかくなので、その予行登山も楽しむことは言うまでもありません。
上記トレーニングは登山のためだけでなく、健康維持のためにも、是非習慣にしたいものですね。
特に我々のような年代はね。
ただし、やりすぎて怪我をしないように、お互い注意しましょう。
注:写真のモデルは女房ではありません。